こんにちは。ユージーン(@Eugene_no2)です!
突然ですが、今あなたが使っているシャンプーや化粧水や洗剤の原価率ってどれくらいだと思いますか?!
市販のものだと、20%は相当高いほう、低いものだと1%程度、なんてのも珍しくないようです。
10%だったとしても、300円のシャンプーの中身は、30円で出来ている、ということ。
今回は、消費財の原価が何でそんなに低いのか、というお話です。
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化粧水の値段と品質は比例しない?!
化粧品業界で働く知人に聞いた話です。
化粧水というのは、価格帯がピンからキリまであります。
安いものでは100円均一ショップに売っているものもあれば、資生堂の「クレ・ド・ポー」のような1本10,000円を超えるようなブランドのものまで。
当然、それぞれの価格帯に応じて、品質も全然違う・・・と、普通は思いますよね。
でも化粧品業界の方いわく、それは全然正しくないそうです。
10,000円台を超えるような化粧水は、やはり品質もそれなりに高いようですが、例えば3,000円の化粧水と、100円の化粧水には、そこまで品質に大差はないらしいのです!!
私も初めて知ったときは驚きでしたね。
その理由は、大きく2つあります。
①安いと逆に売れない?!
化粧水に限らず、化粧品というのは全般的に、どんなブランドや価格帯の商品を使っているか、というのが一つのステータスのような役割を持ちます。
つまり、例えば「私も30歳になったから、これくらいの価格帯の化粧水使わなきゃね!」とか、「品質は問題じゃないの!私はシャネルの化粧品使うのよ!」という商品の選び方をする人が多いってことです。
極端な話、全く同じ中身の化粧水が100円で売られていたとしても、3,000円の化粧水を選ぶ、ということが起きるのです。
②価格とは、色んな経費の積み重ね
ところで、冒頭でシャンプー、化粧水、食器用洗剤の原価の話をしましたが、この中でも化粧水は、特に原価率が低い商材だと言われています。
商品によってばらつきはあるとは思いますが、市販のものでは販売価格の1%~2%程度のものも多い言われています。。。
つまり、仮に2%だとしても、5,000円の化粧水の製造原価は100円ほど、という計算になりますね。やっす(笑)
中身の製造原価よりも、容器やパッケージの製造コストのほうが高いというケースも、決して珍しくないらしいですよ。
この話をすると、化粧品会社はぼろ儲けじゃないか、と思うかも知れませんが、実はそれも間違い。
化粧品(に限らずですが)の値段というのは、色々な経費の積み重ねです。
例えば、研究開発費。これはもちろん化粧品を作るのに必要なコストです。
しかし、それ以外に莫大にかかっているコスト。それがマーケティングコストです。
具体的に言えば、
・ 品質が高いイメージを作るための容器・パッケージの開発・デザインにかかるコスト
・ 商品を知ってもらうためのテレビCMやサンプリングにかかるコスト
・ 広告塔としてのタレントやモデルを起用するコスト
・ 店頭にできるだけ置いてもらうため流通企業に支払うコスト
・ 百貨店などの店頭で美容部員が販売促進するコスト
などなどです。
こうした費用は、経費として商品の価格にどんどん乗ってくるわけ、というわけです。
だから、価格が高い化粧水というのは、必ずしも原価が高い(=品質が高い)ことを意味するわけではなく、マーケティングによって、ブランドイメージの作り上げることにお金をかけている、ということになります。
高級バッグや高級ファッションで有名なブランドの化粧品なんて、まさにその典型です。
高級品のイメージ作りに、多額のお金を投じているのです。
そういう部分にお金をかけるのは、先ほど触れたように化粧品がステータスで買われる側面があるからです。
そう考えると、もはや化粧品を売っているというより、ステータスを売っていると言ったほうが正しいのかも知れませんね(笑)
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洗剤もイメージを売っている?!
このような話は、何も化粧品だけに限った話ではありません。
例えば食器用洗剤。
食器用洗剤をスーパーやドラッグストアで買うとき、何を基準に商品を選ぶでしょうか?
洗浄力を比較して選んでいるでしょうか?
いや、そもそもほとんどの人は、どの商品が洗浄力が強いかなんて分からないですよね、きっと。
それよりも、テレビCMをよく見るから、とか、何となくこっちのが良さそう、とか、安売りしてたから、とかじゃないですか?
実際、洗剤などの消費財は “何となく” で選んでいる人が圧倒的に多いんです。
もし、お店で “何となく” で選ばれるなら、売上を上げるためにはどうしたらいいでしょうか?!
答えは簡単、良いイメージを植え付けて、出来るだけ安く売る、です。
洗浄力で少しでも他社を上回るように、研究開発や原料に力を入れても、お客さんは “何となく” で選ぶわけですから、無駄な努力になりかねません。
それどころか、原価が高ければ販売価格も高くなりますから、不利になってしまいます。
原価は出来るだけ安く抑えるのが洗剤の鉄則みたいです。
では、どこにお金をかけるかというと、化粧品同様に、マーケティングです。
“何となく” が勝負の分かれ目ですから、テレビCMをたくさん流したり、そこで愛らしいキャラクターを使って親しみのあるイメージを強化したり、油汚れがすっきり落ちる映像を消費者にたくさん見せて、イメージを植え付けていくわけです(笑)
ちなみに余談ですが、某食器用洗剤のCMで、油の中に一滴垂らすと油が逃げて波紋が広がる、みたいな現象がありますが、あれって、どの洗剤でも同じ現象が起きるみたいですよ。
イメージって怖いですね(笑)
この記事では、一つの例として、化粧水や洗剤の話に触れてきましたが、これは多くの消費財に当てはまる話であることは間違いありません。
私たちは、商品そのものを買う以上に、その商品にまとわりつくイメージやステータスを買っている、と言えるかも知れませんね。
ちなみに、このイメージやステータスを作り上げることを、マーケティングの世界では「ブランド作り」とか「ブランディング」とか言ったりします。