こんにちは。ユージーン(@Eugene_no2)です!
2015年12月1日より、メンタルヘルス不調を未然に防ぐ目的で、職場でのストレスチェックが義務化されました。
今回は、メンタルヘルス不調の一種である適応障害経験者の私の目線で、制度のポイントと問題点をまとめてみたいと思います。
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目次
ストレスチェック制度のポイント
労働安全衛生法という法律の改正により、2015年12月1日より、50人以上の労働者のいる事業所では、ストレスチェックを行うことが義務化されました。
まず、このストレスチェック制度のポイントをまとめたいと思います。
そもそもストレスチェックの目的は?
厚生労働省の調査で、2008年にうつ病の患者数が初めて100万人を超えました。
このうつ病患者数は増加傾向にあると言われ、大きな問題になっています。
うつ病になる最大の原因は、ストレスです。そしてそのストレスの多くが発生するのは、職場です。
採用時にストレス耐性をチェックする、なんて話もありますし、職場での立場が上になると、重い責任からより強いストレスにさらされるなんて話もありますね。
つまり、職場でのストレスチェックを行うことで、うつ病をはじめとするメンタルヘルス不調を未然に防ごうというのが、ストレスチェック制度の目的というわけです。
ストレスチェックって具体的に何するの?
ストレスチェックで行われるのは、次の4つです。
- 年に1回、ストレスチェックのアンケートが行われる
- アンケートの結果が本人にのみ通知される
- 高ストレスと判定されれば、本人が申し出れば医師の面接指導を受けられる
- 事業所全体(または部署ごとなど)で分析を行い、業務改善に役立てる
ちなみに、最後の分析~業務改善は努力義務なので、必ずやらなければいけないわけでは無いようです。
アンケートの内容は、かっちり決められてはいませんが、おそらく大半の企業が、厚生労働省推奨の質問票(57項目)を使うことになると思います。(「実施ツール」からダウンロード)
個人の回答結果は人事や上司は閲覧できない
これは重要なポイントだと思いますが、個人のストレスチェックの回答結果は、
第三者や人事権を持つ職員が、記入・入力の終わった質問票の内容を閲覧してはいけません!
(引用:ストレスチェック制度導入マニュアル)
とされています。
つまり、人事担当者や上司は閲覧することが出来ないわけです。
そもそも、このストレスチェックの実施者は、
医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保健福祉士の中から選ぶ必要があります。外部委託も可能です。
(引用:ストレスチェック制度導入マニュアル)
と決められています。
なので、基本的にアンケートにどのように答えたかは、会社側には”バレない” ことになっているわけです。
申し出をすれば、医師の面接指導が受けられる
ストレスチェックの結果は、人事や上司を介さず、本人に通知されるわけですが、その際に「高ストレス者」と判定される場合があります。
医師などの実施者がストレスの程度を評価し、高ストレス※で医師の面接指導が必要な者を選びます。※ 自覚症状が高い者や、自覚症状が一定程度あり、ストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪い者を高ストレス者として選びます。
(引用:ストレスチェック制度導入マニュアル)
「高ストレス者」と判定された人は、自ら申し出れば、医師の面接指導を受けることが出来ます。
厳密にいえば事業者側に、労働者の申し出があれば、面接指導を医師に依頼する義務があるということです。
医師の面接指導を受けた場合には、就業上、業務上の措置が必要かどうかなどについて、事業者側は医師から意見聴取をし、必要であれば措置を取ります。
以上が、ストレスチェック制度の主なポイントです!
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ストレスチェック制度の問題点
私はメンタルヘルス不調の一つである、適応障害になり、3ヶ月ほど会社を休職していた経験があります。
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実は、適応障害を発症したとき、私が勤めていた会社では、義務化される前から既に、年に1度のストレスチェックが導入されていました。
しかし、それでも私は適応障害になり、休職することになってしまったのです。
ここからは、メンタルヘルス不調を未然に防げなかった私なりの視点で、ストレスチェック制度に感じている問題点をまとめたいと思います。
年に1回のチェックでは事足りない
適応障害とは、あまりご存知ない方も多いかも知れませんが、その特徴を挙げると、
- 環境変化によるストレスが原因で発症する
- 環境の変化から3ヶ月以内に症状が出る
- 症状は吐き気、頭痛、無気力など人それぞれ
- うつ病へと進行しやすい「うつ病予備軍」的な側面がある
といったものがあります。
もっと知りたい方は、適応障害とは?その症状とは?に詳しく書いてますのでぜひ。
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ストレスチェック制度では、アンケートは年に1回の実施義務となっています。
しかし、特徴に挙げたように、適応障害は環境が変化してから、3ヶ月以内に症状が出るため、年に1回のストレスチェックでは、間をすり抜けてしまうのです。
これは私の勝手な予測ですが、適応障害だと自覚していない人を含めれば、適応障害の患者数は、うつ病患者の数倍いるのではないか、と考えています。
つまり、うつ病を防ごうとするなら、うつ病予備軍である適応障害を防ぐべきで、そのためには1年に1回のストレスチェックでは少なすぎるというのが私の意見です。
形式的なアンケートだけで終わらないか?
もう一つ、私が感じているストレスチェック制度の問題点があります。
それは、このストレスチェックが「義務化されたから実施する」だけの、形式的なアンケートになってしまうのではないかということ。
そもそもこういったアンケートって、人事や上司に知られることを恐れて、正直に答えない人って結構多いと思うんです。
先ほど説明したように、アンケートの結果、「高ストレス」と判定された人は、自ら申し出れば、医師の面接指導を受けることが出来ます。
しかしそうなれば、面接指導を申し出たことは会社側に知られますし、会社側は、何か処置が必要か、医師から意見聴取をすることになっていますから、結局抱えている問題を知られてしまうことになります。
特に適応障害やうつ病になる人は、責任感が強い傾向がありますから、面接指導を申し出る人はあまりいないのでは無いかと思うのです。
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さて今回は、新たに義務化されたストレスチェックのポイントと問題点を私なりの視点でまとめてみました。
うつ病などのメンタルヘルスの不調を未然に防ぐには、こういった制度だけでなく、私たち自身がどれだけ早く、異常に気づけるか、が重要だと思います。
もし、少しでもおかしいなと感じたら、例えば、メンタルヘルス面の悩みを無料で臨床心理士に相談できるサービス「Reme」などを利用してみることをオススメします。
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