日立さん、吸引力で勝負したらダイソンの思うツボですよ!

こんにちは。マーケター&ブロガーのユージーン(@Eugene_no2)です!

最近テレビで、嵐の二宮くんがニュートンに扮した日立の掃除機のCMをよく目にします。

今回は、そんな日立のCMを見て思ったことについて。

日立のサイクロン掃除機

私が気になった日立の掃除機のCMがこちら。

嵐 CM 日立 掃除機 クリーナー 二宮和也 「ニュートン」

ダイソンに対する挑戦状

掃除機には大きく分けると、サイクロン式紙パック式の2種類があります。

サイクロン式の代表はダイソン。一方で国内メーカーの主力商品の多くは紙パック式です。

そんな中、今回取り上げる日立の掃除機は、サイクロン式で、しかも吸引力を訴求しています。

CMを見る限り、どうみてもダイソンに対する挑戦の姿勢が伺えます。

ダイソン掃除機より優れている点はある

この掃除機、CMを見ると、確かにダイソンよりも優れている点がありそうです。

え?吸引力弱かったの?ダイソンのマーケティングの巧みさに脱帽でも書きましたが、サイクロン掃除機というのは、強力な吸引力を生み出す事が難しいという特徴があります。

そのため、吸い込み口と床との距離を近づけることで、掃除能力を担保しているわけです。

でも、そうすると、一つの欠点が生じるんです。

それは、床と吸い込み口の距離が近いため、動かしづらくなったり、時にはカーペット自体を吸い込んでしまいやすい、ということ。

今回の日立の掃除機は、CMを見たところ、その欠点を技術で解消していることをウリにしているようです。

それを、「新・吸引力」というキャッチコピーで表現しているわけですね。

日立ってもともと技術力が高いことで定評がありますし、技術面や機能面では、とても優れた掃除機なんだと思いますよ!

ただ正直、売れるかどうかは、別問題だ思うんですよね。

そこが、今回のテーマの肝です。

日立はダイソンの術中にハマっている?!

日立は今回、「新・吸引力」っていう言葉で勝負しています。

しかし、吸引力っていう言葉を使った時点で、もう既にダイソンの術中にハマっていると私は思うんです。

掃除機選びは何を重視する?

そもそも、掃除機を選ぶときに重視することって何でしょうか?

吸引力だけではなく、排気がきれい、音が静か、ボディが軽い、デザイン性が高いなど、色々考えられます。

ダイソンは、執拗(しつよう)に吸引力が他社より優れていることを訴求していますが、音や重さなど、他の部分については一切触れていません。

果たして吸引力ってそこまで重要なんでしょうか?

私は、ダイソンと比較などせずとも、国内メーカーのどの掃除機でも、掃除する上でまったく支障のないレベルだと思うんですけど…。

まあ、実際ダイソンは、吸引力が「変わらない」ことを訴求しているのであって、「強い」わけでは無いですし。

 合わせて読みたい  ダイソン掃除機の吸引力は変わらないが弱いというカラクリ : No.2宣言
知ってましたか?
吸引力は変わらないけど、そもそも吸引力は全然強くない
ってこと。…

それに、国内メーカーの紙パック式掃除機は、ゴミを大量に吸えば吸引力は落ちますが、パックのゴミを取り除けばいいだけの話なんじゃ…。

私は冷静に考えれば考えるほど、掃除機選びに吸引力って大して重要じゃないよなぁ、と思ってしまいます。

掃除機選びの基準を変えたダイソン

でも、実際にアンケートを取ると、掃除機選びの重視点は、「本体価格」と「吸引力」がトップ2らしいです。

つまり価格を除けば、最も重要なのは吸引力だということ。これ、おそらく、ダイソンの仕業です。

何年にも渡り、国内メーカーが掃除機のテレビCMをあまり打たない中、ダイソンは毎年大量のCMを流し続けてきました

しかもダイソンは、一貫して、吸引力の変わらない、ただ一つの掃除機と言うことを訴求し続けてきたわけです。

それだけ吸引力吸引力って言われ続けたら、私たち消費者も、

やっぱ掃除機で大事なのは、吸引力よね!

って思ってしまうようになります。いわば、刷り込みです。

ダイソンは掃除機選びの基準すら、変えてしまったんです。

真っ向からダイソンに勝負を挑んだ日立

ここまでの話をまとめると、掃除機で吸引力が重要というのは、ダイソンが広告によって築いてきたイメージであり、消費者の中で、

吸引力=ダイソン

という図式は出来上がってしまっています。

そこはもう、ダイソンの独壇場

それなのに、日立はわざわざそこに突っ込んでいったわけです。

そのチャレンジ精神はすごいと思いますが、これって無理ゲーなんじゃないかと…。

全く新しい軸で勝負する三菱電機

吸引力」という土俵では、ダイソンが圧倒的有利です。

いくらダイソンの性能を上回る製品を開発したからって、「吸引力=ダイソン」という、これまで広告に多額の投資をして築いてきた資産の前では、大した差別化にならないですよ。

掃除機とて、性能を細かく比較して買うわけじゃなく、消費者はイメージで買うんです。

そう考えれば、日立さんを始め国内メーカーは、「吸引力」以外の土俵で勝負するほうが賢明だと思います。

例えば、三菱電機から発売されている「iNSTICK(インスティック)という掃除機があります。

この掃除機は、今までの掃除機にない、全く新しい軸で勝負しているんです。

それが、インテリアになる掃除機

iNSTICKは、シンプルな円柱型のフォルムで、リビングに出しておいてもインテリアになる、片づけなくていい、掃除機なんです。

128-1
三菱電機より)

掃除機って割と頻繁に使う家電にも関わらず、普段は片づけておく家電だったんですよね。

今まではそれが当たり前だったんですけど、三菱電機はそう考えなかった。

出したり片づけたりするのが面倒だから、逆に常に出しておける掃除機を作ろうじゃないか!

って考えたんだと思います。(たぶん)

良い製品を作れば売れるという誤解

この日立の掃除機の話も一つの例ですが、未だに多くのメーカーが、他社より良い製品を作れば売れる、という誤解をしているように思います。

もちろん、今までにない新しい製品で、それが消費者に喜ばれるものであれば、売れます。

でも、既にヒットしている製品を、機能や性能でちょっと上回る製品を出しても、失敗するケースが多い

もう1つ例を出せば、2004年にハウス食品から発売され、大ヒットとなったウコンの力

ウコンの力のヒット以降、多くのメーカーが有用成分の量を増やしたり、違う成分を加えたりして、ウコンの力よりも性能で上回るウコンドリンクを発売していた記憶がありますが、その全てがウコンの力に敵うことなく、消えていきました。

結局、私たち消費者は、性能を厳密に比較して選ぶのではなく、ブランドとかイメージに惹かれてモノを買うんですよね。

だからもし、日立が吸引力でダイソンに勝負するなら、ダイソンの掃除機とは比べものにならないほど優れている、と訴求するか、「ダイソン=吸引力」のイメージを日立に上書きするくらいの覚悟や投資がなきゃ、難しい挑戦だろうなー、と感じています。

では、今日も頑張らずに楽しんでいきましょう~!