こんにちは。ユージーン(@Eugene_no2)です!
うつ病にならないためにストレス耐性を高めようとか、ストレス耐性の高い人を面接で見極めよう、とか。
当たり前のように使われる「ストレス耐性」という言葉に、わたしは強烈に違和感を感じています。
仕事のストレスから適応障害を発症した経験を踏まえて言うと、ストレス耐性は高める必要などないからです。
今回は、ストレス耐性についての考え方と、ストレスとの付き合い方について。
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目次
ストレス耐性の意味とは?
そもそも、ストレス耐性とは何でしょうか。
文字通り、ストレスにどれだけ「耐える」ことができるか?という力を指していると言えます。
「ストレス耐性」とはストレスに対するタフさ、ストレスにどれだけ耐えられるかという抵抗力のことです。(引用:コトバンク)
ストレスに耐えられなくなると、適応障害やうつ病を発症するということになりますね。
ちなみに、ストレスで適応障害やうつ病を発症するのは、甘えでも何でもなくて、強いストレスによって自律神経失調に陥り、それによって体に不調が生じるという、れっきとした物理的な病気の状態ですから、誤解のないように。
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さて、わたしが「ストレス耐性」という言葉に違和感を感じるのは、ストレスに対して「我慢する力」というニュアンスを持った言葉だからです。
つまり、ストレス耐性が高い人は我慢強い、メンタルが強い、ストレス耐性が低い人は我慢が足りない、メンタルが弱いと、そう思われがちです。
後ほど詳しく書きますが、ストレス耐性が低い人は、我慢が足りないわけでも、メンタルが弱いわけでもありません。
ただ、感受性豊かな性格を持っているために、人よりもストレスを感じやすいに過ぎないのです。
それは決して悪いことでもないし、生まれ持った性格なので、もちろん本人に責任があるわけでもありません。
このページを訪れた人は「自分はストレス耐性が低い」と自覚している方かも知れませんね。
ですが、くれぐれも、自分はメンタルが弱いなどと思わないようにしてください。親から授かりうけた性格の特徴に過ぎないし、それは必ずしも悪いものではありません。
大事なことは、ストレスを感じやすいという自分の性格を理解し、ストレスを上手にコントロールすることなのです。
ストレス耐性を高める必要なんかない
わたしは、以前にストレスによって体を壊しましたが、現在は全快し、元気に暮らしています。
わたしが経験を踏まえて思うことは、ストレス耐性を高める必要なんかない、ということです。
ストレスを感じやすいのは、感受性が高いという長所でもある
ストレスを感じやすい人というのは、感受性が高く、繊細な感性をもった人です。
感受性が高いがゆえに、ストレスになるようなことも、人よりも強く受け取ってしまうのでしょう。
感受性が高いというのは、決して悪いことではなく、むしろ長所です。
感受性が高い人は、相手の気持ちを理解したり、他人の気持ちを考えて行動できるので、仕事も出来る人だとわたしは思いますね。
わたし自身、「ストレスを感じやすいこの性格を何とかしたい!」と考えたこともありましたが、今ではそう考えるのを辞めました。
第一、性格なんて、変えようと思ってそう簡単に変わるものじゃないですからね。
ストレス耐性なんて本当はみんな同じ?
もう一つ重要なことは、ストレス耐性なんて、それほど大きな個人差はないだろうということです。
どういうことかと言うと、ストレスの許容量はみんな同じで、それぞれ感じるストレスの量と、解消するストレスの量に違いがあるだけです。
以前、ストレスを水槽に溜まる水に例えて、ストレス耐性について解説しました。
ここでは水が、ストレスを意味しています。
水は、上の蛇口から水槽にどんどん注がれています。これが受けるストレスです。
その一方で、底に空いた穴から、水はどんどん抜けていきます。これが発散するストレスです。(引用:ストレス耐性があればうつ病にならない、という大きな誤解)
この例えで言うと、誰しも同じくらいの大きさの水槽を抱えていて、ひとりひとり違うのは、蛇口から入ってくる水の量と、そこから抜けていく水の量なんじゃないかと思うわけです。
つまり、水槽の大きさは、それほど重要ではないということ。
むしろ本当に大事なのは、水槽のそこから抜けていく水の量、つまりストレスを解消する力です。
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本当のストレス耐性とは、ストレスをコントロールするスキル
本当の意味でのストレス耐性とは、ストレスにどれだけ耐えられるかという我慢力のようなものではなく、ストレスをコントロールするスキルであると、わたしは考えています。
そして、ストレスを受けやすい性格は、生まれ持った変えがたいものですが、ストレスをコントロールするスキルは、今からでも、誰でも身に付けられるものです。
ストレスをコントロールする方法には、大きく2つあります。
自分が感じているストレスを正しく理解する
ストレスをコントロールするにはまず、自分が感じているストレスのことを理解することが重要です。
何にストレスを感じるのか?
まずは、自分が何にストレスを感じているのか?ということです。
特定の人と仕事をするときに強いストレスを感じる場合もあれば、特定の種類の仕事についてストレスを感じることがあります。
ちなみにわたしの場合は、「仕事をどんな段取りで進めればいいか分からない」という状況に陥ったときに、強いストレスを感じている、ということが分かってきました。
自分が何にストレスを感じるかを理解すれば、極力ストレスを感じる状況を減らしたり、自分が感じているストレスの程度を理解することにも役立ちます。
補足しておくと、ストレスは必ずしも「イライラ」の感情とは限りません。不安感、絶望感、焦り、不満、自己嫌悪など、様々です。
感じているストレスの程度は?
もう一つ理解すべきは、どの程度ストレスを感じているか?どの程度ストレスが蓄積しているか?ということです。
先ほどの水槽の例で言えば、自分のストレス水槽に、どれだけ水が溜まっているか?あとどれくらいで限界が来るか?あふれ出しそうか?という自己評価です。
どれくらいで限界が来るか?については、わたしのように、一度限界を超えてメンタル不調に陥った経験がないと難しいのかも知れません。
しかし、ストレスが蓄積してきたときに、自分の中でアラートを感じることは、本当に重要です。
「今までに経験したことないくらいストレスが溜まっている」「何かおかしいな」ということを自覚できれば、意識してストレスの原因から離れたり、次に紹介するストレス解消のためのアクションを積極的に取るといった対処が出来るからです。
自分が感じているストレスの程度に関して、敏感でいること。これが大事です。
自分なりのストレス解消の習慣を身につける
ストレスをコントロールするもう一つのスキルは、自分なりのストレス解消の習慣を身につけることです。
「ストレス解消」というと、カラオケで大声を出す、ジムでサンドバッグを思いっきり叩く、やけ食いする、みたいなイメージがありますが、必ずしもそういうことではありません。
また、何が効果的であるかは、人によって個人差があるので、ぜひ自分なりのストレス解消法を見つけてください。
ここでは、多くの人に共通するであろう、わたしも実践している代表的なストレス解消法を紹介しておきます。
質の高い睡眠を取る
ストレス解消に何よりも役立つのは、何よりも睡眠です。
強いストレスを受けていても、質の高い睡眠がきちんと取れていれば、体の働きによって、ストレスは浄化できるのです。
わたしがメンタル不調に陥ったときには、強いストレスもさることながら、仕事の忙しさから慢性的な睡眠不足に陥っていました。
また、メンタル不調を克服できたのも、睡眠のリズムが整ったことがきっかけでもあり、睡眠の重要性をとことん認識しましたね。
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入浴する
睡眠とともに、ストレス解消に役立つのが、入浴です。
熱すぎないお湯にゆっくりと浸かることで、リラックス効果があるだけでなく、深部体温が上がることで、その後の睡眠の質が高くなることも科学的に分かっています。
疲れているからとそのまま眠るよりも、入浴をしてから、眠りにつくほうが、ストレスの解消には大きく役立ちます。
涙を流す
わたしが最近、ものすごく効果を感じているのが、涙を流すという行為です。
辛いことがあったけど、ワンワン泣いたらその後スッキリした、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
これは科学的にもストレス解消の効果のある方法のようです。
お気に入りの泣ける映画を、いつでも見れるようにしておいて、自分が強いストレスを受けているな、ストレスが溜まっているなと感じるときには、積極的に見るようにするのがオススメです。
栄養をしっかり取る
空腹状態になると、イライラしやすくなってしまう人もいるように、実は栄養も、ストレスとは切り離せない関係にあります。
栄養が偏った状態では、ストレスが溜まりやすくなり、またストレス解消に効果的な栄養素というのも存在します。
詳しくはこちらの記事にまとめましたので、合わせてご覧ください。
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ということで今回は、ストレス耐性について、わたしの経験と知識を踏まえて解説しました。
ストレス耐性を高めよう、なんて思う必要はありません。
ストレスを感じやすい性格を変えようとするのではなく、感じたストレスをどう処理するか、ストレスをコントロールするスキルや習慣を身につけることが大切です。